| 唐津カルチャーバンク 唐津焼作家小杉隆治氏紹介 | |
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「子供の頃からものづくりには興味がありました。学生時代に自分が製作した作品が『いいねこれ』といってお客様に買っていただける、その喜びを体験したんですよね。それからですね、唐津焼を生業にしていこうと思ったのは。」 僕はいつも思うことがある。 芸術という自己の想いを他者の喜びにかえることで生活することは、すごく困難な生き方だろうと。 若くして芸術の道を志す、その根っこの部分は何なのか? 「いいねこれ」のひと言が若者の未来を決める、自らの汗をお客様の笑顔にかえることが喜びである、接客を生業とする僕たちとどこか通ずるものがある。 小杉さんは若く、健康的に日焼けしている。 おそらく街中を歩く小杉さんを見ても、誰も唐津焼作家だなんて思わないだろう。 だからなのか、小杉さんの感性が紡ぐ唐津焼は、僕のイメージする唐津焼とは一風違う。 最初、工房にお邪魔したときにまず目に留まったのは、今にも動き出さんばかりの鯉の置物だ。 底深く住み着いた池の主である老鯉が熟練の釣り師に釣り上げられ、何百年ぶりに水面に姿を晒されることを抗うような、そんな重々しい躍動感がある。 その他、本物と見紛うようなオコゼの置物、形が個性的な河豚の急須、烏賊の姿を模したパスタ皿などが棚に並べられている。 「唐津焼の特徴の1つは、その多様性だと思います。同じ唐津焼といっても土や釉薬(ゆうやく)、焼き方に様々な種類・技法があり、唐津焼と一口にいっても多種多様です。また、時代時代の流行にあわせてその姿を変える柔軟性もあります。だから、”瀬戸もの”と並び称される、焼き物の一大産地として古来より名を馳せてきたのでしょう。」 製作中の鯉の置物に命を吹き込みながら小杉さんは静かに語ります。 「”多様性”と”柔軟性”、そこに僕は無限の可能性を感じたんです。自分が思い描く『創造物』を具現化する媒体としての唐津焼の可能性。唐津焼なら通りすがりの人の目をパッとひくような新しい作品を世に出すことができると思います。」 小杉さんの今にも動き出しそうな烏賊パスタ皿で烏賊墨スパゲッティーを食べれば、さぞ美味しいだろうと想像しながら、小杉さんの工房を後にした。 |
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